2022年10月11日 (火)
「右上の前歯が生えてきたが、受け口になっている気がするので噛み合わせを見てほしい。歯ぎしり防止のためにナイトガードを使用中で、すり減ってしまった左上の前歯は抜いたほうがいいのでしょうか」と親御様からご相談をいただきました。
拝見したところ、ご相談の通り、下の前歯が上の前歯より前に出ている「受け口」でした。
左上の前歯は乳歯で、歯ぎしりによりすり減っていましたが、すでにグラグラと動いており、近いうちに自然に抜ける可能性が高い状態でした。
当院で可能な噛み合わせの治療方法として「マウスピース矯正」、「ワイヤー矯正」がありますが、今回は受け口に対する治療効果が高いマウスピース矯正をご提案しました。
マウスピース矯正は簡単に始められるので治療も簡単だと思われがちですが、正確な診断に加え、患者様とご家族のご協力のもと正しく使用していただくことが不可欠で、治療の成功に大きく影響します。
今回の患者様は、虫歯治療や定期検診などで長くアップル歯科クリニックに通われており、これまでの治療でも痛みがなく、きれいな仕上がりに大変ご満足され、当院を信頼していただけていました。また、患者様も親御様も治療に前向きで、マウスピース矯正で良い結果が得られると判断しました。
また、口呼吸が受け口の原因のひとつとも言われています。通常、舌は歯に当たることなく上顎にべったりついているのが正しい位置ですが、口呼吸によって舌が下がることで、受け口になる傾向があります。
そのため、下がった舌を正しい位置に戻し、鼻呼吸を促す筋トレ効果があるお口の体操「あいうべ体操」を並行して行っていただき、噛み合わせを改善する治療をご提案したところ、ご了承を得て治療を開始しました。
治療中は、正しい成長を促せているかを定期的に観察し、あいうべ体操による筋トレが重要であることも経過観察時に都度お伝えしていきました。
すり減っていた左上前歯は、一度様子を見て、抜けなければ当院で抜歯することをご提案しました。
今回の患者さんはとても頑張り屋さんで、親御さんもとても前向きにご家庭でのフォローをしてくださり、あいうべ体操も継続して頑張っていただいた結果、治療中にマウスピースの効果が出て、2週間というとても早い期間で受け口が改善している傾向が見られました。
マウスピース治療を終了してから2年ほど経った現在、後戻りすることなく、きれいな噛み合わせと歯並びが保てています。
歯ぎしりですり減っていた前歯の乳歯は、治療を開始して約3週間後に「欠けてしまった」とのことでご来院いただき、そのまま抜歯しました。
歯ぎしりはまだ強くありますが、ナイトガードを引き続きご使用いただいているため、前歯のすり減りはほとんどありません。現在は穴が空いてしまったり成長の過程で合わなくなったりした際に、新しいナイトガードを製作しています。
治療前はたびたび虫歯になっていましたが、歯並びや噛み合わせが改善して以降は虫歯になる頻度も少なくなっています。今後も定期検診で状態を丁寧に観察し、患者様の歯の健康を親御様と一緒に見守っていきます。
・治療による歯の移動に伴って、痛みや違和感を感じる場合があります。
・マウスピース矯正と並行して、あいうべ体操(お口の体操)もしっかり行っていただけない場合、十分な効果が得られない可能性があります。
年齢・性別
8歳男の子
診療種別
自由診療
治療期間の目安
約1年
治療回数の目安
–
治療費総額の目安
130,000円(143,000円)
<内訳>精密検査:27,000円
マウスピース装置料:100,000円
処置料(毎月):3,000円
カテゴリー: 未分類
Copyright (C) Apple dental clinic,all rights reserved.